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日本で育つ我が子に、おうちでできる英語教育を
産まれてくる我が子におうち英語で英語力の素地を育んであげたい!
そこで、おうち英語の全体像を知ろうと思い、まず最初に手に取った本です。
目指すゴールや、年齢別の具体的な取り組み方法のイメージがわかり、乳幼児期だけでなく、先々の取り組みまで思い描くきっかけとなりました。
今回は、私が特に参考になると感じた目標と取り組み方法についての内容を中心に、備忘録もかねてまとめたいと思います。
長めの投稿になりますが、よろしければお読みください。
3つの目標
まず、本書で目指すのは、「完璧なバイリンガル」ではなく、「日本国内でトップレベルになるために必要な英語力」です。(残念ながら、前者を日本国内で達成するのはかなりハードルが高いらしいです。)
それを踏まえて、おうち英語で達成したい目標として、以下の3点を念頭に置くことが大切と述べられています。
- 目標1)CEFR B2レベルの英語
- 目標2)リーディング力の獲得
- 目標3)8〜10年の学習期間
この3つの目標について、備忘録も兼ねてまとめてみます。
目標1)高校までにCFER B2レベルを達成
CEFRとは?
- Common Europeam Framework of Reference for Languages(ヨーロッパ言語共通参照枠)の略称
- 読み方は「セファール」
その名の通り、もともとはヨーロッパ全体で外国語の学習者の習得状況を示す際に用いられるガイドラインだそう。
CEFR B2 レベルの英語力とは?
わかりやすい目安で言うと、英検準1級に到達するレベルの英語力とのこと。しかもそれを、高校までに達成することが目標です。
ひーっ!いきなりハードル高い!
目標2)リーディング力の獲得
リーディング力は英語習得のキモ!
CEFR B2レベルを達成することが究極の目標であるとすれば、その達成手段が「リーディング力の獲得」です。
そして、リーディング力獲得の前提となる英語の文字学習には、学び方の「正しい順序」があるそうです。(詳細は後述します)
目標3)8〜10年の学習期間の確保
日本における英語学習の目安時間
なぜ8〜10年間なの?という疑問がわいてきますが、その前に英語学習の鍵となる学習時間をみていきます。
まず、日本人が満足な英語力を身につけるのに必要な学習時間が約2500時間と言われており、そのうち、多い人で約1500時間は小中高の学校教育(授業+宿題+自主学習)を通じて学習するそうです。
残る約1000時間を補うのが、8〜10年間の学習期間になります!
8〜10年の学習期間にすること。
約1000時間を使ってやること、それは、「毎日30分の英語読書を5年間続ける」というものです!
ちなみに、この5年という期間、読書ができるようになってから5年だそうで、読書ができるようになるまでにかかる期間(およそ3年)は含みません。
なので、読書ができるようになるまでに3年、読書を5年強で、8〜10年の学習期間が必要になる、ということなんですね。
英語習得の道のりって地道だなぁ。。。
尚、CDやDVDのかけ流しは8〜10年間の学習期間に含められていません。
ですが就学前に一定期間毎日かけ流しを実行すれば、その後学習することとなる、約1500時間分の知識が無駄なくインプットできる(=学習効率が上がる)というメリットがあるんだそうです。
また、「コミュニケーション力」(英語話者との主体的なコミュニケーションがとれるだけのコミュ力)も、英語習得の時間を短縮するための方法として紹介されています。
読解力を育てる具体的な方法
次に、リーディング力の獲得に向けた話をまとめたいと思います。
リーディング力の獲得には文字学習の「正しい順序」があるとのことでしたが、その順番は以下のステップの通りです。
- ステップ0)フォネミック・アウェアネス→ 英語を聞き分ける耳を育てる
- ステップ1)フォニックス→ 英単語の正しい発音を教える
- ステップ2)サイトワーズ→ 頻出単語を一目で読めるように教える
- ステップ3)リーディングフルエンシー→多読で読書力を鍛える
私たちが、赤ちゃんの頃から徐々に日本語を習得していくように、英語学習も徐々に習得していくための順序があるんですね。
この各ステップについて、以下にまとめたいと思います。
ステップ0)フォネミックアウェアネス
フォネミックアウェアネスとは文字を教える前に、英語の音やリズムに慣れさせる取り組みのことで、「かけ流し」はこれにあたります。
かけ流しは毎日1〜2時間の取り組みが目安だそうです。
英語独特の文法的リズムと音感的リズムを身につけることによって文字学習への移行がスムーズになるのだそう。
ステップ1)フォニックス
フォネミックアウェアネスを半年〜1年、もしくは年齢がや4〜5歳になったら、次のステージ、「フォニックス学習」をスタートします。わかりやすいタイミングの目安としては、子供が「日本語の文字に興味を持った時」だそう。
フォニックス(Phonics)とは日本語のかな50音に該当するもので、アルファベット26文字の「音」を教えます。
例えばABCDEの音(フォニックス)は、「ア、ブッ、クッ、ドゥ、エ」となります。
ちなみにこのフォニックス、44種の音と120種の綴りパターンがあるそう!フォニックスとアルファベットの「名前」に相当するいわゆる、「エービーシー」も同時に教えるのが基本みたいです。
フォニックスは聞いたことはあったけど、学んだことは当然ありません。44種の音と120種の綴りパターン…難しそう。。。
フォニックスを学ぶことで、子供は知らない単語でも音声化できるようになるそうです。
ステップ2)サイトワーズ
サイトワーズ(Sight Words)とは、日本語の漢字に相当するもので、フォニックスのルールでは読めない単語が含まれており(have, theなど)、単語ごと丸暗記する必要があるそうです。
フォニックスでアルファベット26文字の音を覚えたら、並行してサイトワーズの学習を始めます。
サイトワーズの暗記は、読書スピードを高め流暢に本を読むために欠かせないそう。
ステップ3)リーディングフルエンシー
フォニックスで英単語の正しい音を学習し、サイトワーズでフォニックスのルールでは読めない単語を暗記したら、いよいよ英語で本を読み始めます。
リーディングフルエンシーとは早いスピードで、流暢に、英語の本が読める状態のことを言います。
リーディングフルエンシーが身につけば、子供の英語教育はほぼ成功!一方で、英語教育の最大の難所でもあるそうです。。。
リーディングフルエンシー習得へのステップ
こどもが自力でスラスラと本を読む読めるようになるには、適切な順序で、年齢・レベルにあった本を与えていくことが大切と書かれています。
英語の本は以下のように細かくレベル分けがされています。ステージ0から順に子供の年齢やレベルにあったものを必要な期間(目標に達するまで)続ける必要があるそうです。
ステージ0)ピクチャーブック
- 読み聞かせ向きで対象年齢は0〜6歳頃。
ステージ1)アーリーリーダーズ
- 子供が自分で読むことを目的とした本
- 最低限の英語力で読めるように工夫されている
- 対象年齢は3.4〜10歳頃。
ステージ2)リーダーズ
- 16〜32ページの薄い本。ストーリー性があり、一冊で一話が完結する
- 対象年齢は4.5歳〜小学生
- シリーズ、キャラクター、ジャンルの種類が多く、子供の興味や好き嫌いに応じて本を選ぶことができる
- 文字数が300〜3000語程度の本を100冊、音読で読破することが目標!
ステージ3)チャプターブック
- 章立てされた、文字ばかりの厚い本
- 小学生〜大人が対象
- チャプターブックが読めれば、子供の英語教育は90%成功!
最後に: この本のおすすめポイント!
本書には海外の外国語学習に基づく理論や、著者の経験に基づく方法論がふんだんに盛り込まれていて、とても読みごたえがありました。(そのため、一度ではなかなか理解できない点も多々…)
この本を読んで良いと思った点は、知りたいことが順序立てて具体的に書かれているところです。
これからの、我が子の英語の獲得過程で何回も読み返したいと思える本でした。
最後の章にはQ&A形式でおうち英語の疑問に答えており、おうち英語をされている方がぶつかる壁や悩みに対する答えがたくさん書かれていました。
私のような初心者にとっても勉強になりますし、既におうち英語を始めている方にも、役に立つ一冊となると思います。
もっと詳しく知りたいと思った方はぜひ読んでみてくださいね!
長文お読みいただき、ありがとうございました!
moco